第三世界の医療体制考

先日のジャワ中部地震でも「無医村」(僕らが居る地域も実質、無医村なんですが)からの被災者に対する緊急医療体制が不十分で
病院の収容人員を遥かに超えた怪我人の手当てが十分に行われていない・・・・ようなんですが(スマトラ沖地震の際と何も状況は変わっていないんですが)
 
 
 
各国からの緊急援助隊や医療チームもインドネシア入りしている訳ですが・・・・非常に残念に思うことは、こうした大規模災害に”でも”遭遇しない限り
現地での現地の人達への医療体制と言うのが全く注目もされない・・・・ことですね。
 
緊急援助隊た医療チームは当然、一定の期間現地で活動を終えると帰国する訳ですから、そうした活動が終了した”後”・・・つまり平時に戻った時
結局は元の木阿弥に戻ってしまうのが余りにもあからさまに見えてしまう・・・・いや、いや、実際、重症患者で、ある期間の継続治療や観察が必要な人達が
全快する迄、該当する病院で医療行為を受け続けられるか?・・・それ自体がかなり怪しい。
 
先進国の人達が第三世界へ来た時に気にする項目の一つに「現地での医療体制」てのがあると思いますが(退職者へのロングステイヴィザ事業の中でも
必須条件だと思うんですが)・・・・こう言う先進国からの人達への医療体制ってのは左程心配する必要が無い・・・・
 
なぜなら、如何に年金生活者であっても先進国の人達は裕福なので・・・病院側も診察費や治療費の取りっぱぐれを心配しないで済むからです。
(保険にも加入して来るでしょうし:現地での保険は余り信用が無い:笑:為替差益がありますから例えば母国通貨に”換算”した場合の割安感等から
逆に「えっ?これだけの事をして1万数千円?安いねぇ?」みたいな印象を受ける)
 
しかし、問題なのは「現地の人達が通常受けられる医療行為とその体制」・・・・っとなると一気にお寒くなることなのです。
 
例えば、救急車で運ばれた重症でICUに入らないと到底危ない患者さんでも、病院側は必ずその家族に「ICUに入ると1日、コレコレの金額が掛かるが支払えますか?」
・・・っと尋ねる・・・・・まぁ、一般的には田舎で朝から夜迄の小作労働で得られる日当(約300円前後)の少なくても1週間分が1日で必要になる。
 
実際、これが払えない人が結構多い・・・・そうすると病院側は「ICUに入れないんなら、退院するしかありませんね」・・・ってな対応をする。
(こうした状況が一般的である為に、タイ等でも国民の死亡率の約8割の原因が不明だ!なぞと言うとんでもない状態になってしまう・・・・
そうした状況では保健省自体が対策の立てようが無い、っと思うんですけどね・・・・)
 
重傷者にさえこういう対応ですから、そうではない人達には、問診の際に松竹梅よろしく、価格が明確に違う治療内容を予め選択させる。
(先進国の人達にはこんなことはありませんよ!何せお金持ちですからね・・・はは)
 
こうした事情は、まぁ、何処の国でも第三世界ではそう変わりがない・・・・
平時の医療体制がそういう体制ですから、緊急時の医療体制なんてのは正直な所、政府の中にでさえまぁ~念頭に無い
医薬品等の備蓄にしても、医療チームにしても、元々念頭にない事柄に対して予め「予算」を組んでおく・・・なんてことがスマトラ沖地震を経験していてもさえ
確立していない・・・・・・・・経済発展が先だから貧困対策を含んだ医療福祉対策は後回し・・・ってのは早い話がエクスキューズで
疾病患者や種々のハンディキャップを持った人達に対する「社会の役に立たない又は立たなくなった人間」っという観念が一般的なので
予算化も対策も基本的には存在しない(HIV患者に対しても同様ですね・・・・売春でその家族を養っていた人間でもHIVに感染した後は、当の養われた家族からでさえも冷遇される)
 
その結果、上で書いたような、「その後の問題」ってのが出てきてしまう・・・・
 
先進国はこうした問題を解決する為に”相当に踏み込んだ支援”を今後実行して行かないとならないのではないか?っと思う訳ですが
 
なぜなら、緊急医療チームの装備や治療等やその対象者が先進国の道徳律で無差別に行われる(当然なんですが)
しかし、そうした先進国の医療チームが帰国した後で、先進国の治療を受けた全ての人達が現地医療体制の中で”同様の治療を受けられる補償”が全く無い・・・・・・・
 
(日本赤十字のチームは第三世界での緊急医療では現地での医療レベルを超えないようにすることを意識しているようですが・・・・)
 
因みに、タイや大都市での外国人対応の病院には、高級ホテルなんじゃないの?っと見間違う程の設備を誇っています(日本語も通じますしね・・・笑)
Bangkok Hospital(日本語対応ページ)
 
頭、痛いなぁ~~~、この問題は。。。。

aseanpeace11 について

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